Azure Solution Architect Expert資格 (旧AZ-303/304 現AZ-305)を1週間で取得した話。勉強方法は?取ってよかった?

こんにちは。今年はコロナ渦で家にいる機会も増えたので、せっかくなら新しいことをいつも以上にたくさん勉強する年にしよう!ということで、今急AWSを猛追するクラウドサービス、Microsoft Azureの勉強をしています。

とは言うものの、クラウドについてはほとんど初心者で、手元で簡単なアプリくらいなら作ったことはありますが、本番運用に耐えるようなアーキテクチャを考えたりといった経験は皆無な私。

クラウドはサービスの幅も広く、一体何から手を付けたらいいのやら・・と思ったので、まずはAzure関連資格を全て取得してみよう!そしたら何か新しい景色が見えてくるはず!という発想になりました笑

そして手を付けるに当たって一番困ったのは、日本語の勉強コンテンツや体験記がまだ圧倒的に少ない!という点。だったら自分が一通り受けて見て今後受ける方の参考になればと思い、今回の一連のシリーズを書いてみることにしました。

今回は、AzureのSolution Architect資格を取得するために必要なAZ-303/304試験について受験体験記を書いてみたいと思います!

[2022/04/23 Update]

現在、AZ-304はAZ-305にバージョンアップされ、必要な試験も1つに統一されたようです。また、前提条件として、AZ-104の取得が必須になったようです。なので、AZ-303/304だけでなく、AZ-305についても旧バージョンと比較しながらまとめています。

*私の取得当時は以下の通り、AZ-303 Azure Architect Technologiesという実装のための知識を問う試験と、AZ-304 Azure Architect Designという設計のための知識を問う2つの試験の両方にパスする必要がありました。

Contents

Microsoft Azure関連資格の全体像

以前、こちらに整理してみましたので、ご参考までに。

AZ-303/304 or AZ-305 を受けるべき人

  • Azureのソリューションアーキテクトを目指している方

実際に受けてみて思いましたが、この試験では設計〜実装の領域、かつ対象サービスもAzureのIaaS〜PaaSと出題の範囲がとても広いため、確かにこの資格を取れる人は、「Azureのサービスを広く知っており、その中からのソリューションの選択方法や実装方法について一定以上の知見がある」と言えると思います。

公式ページでは、以下のような説明があります。

Azure Solutions Architect Expert 認定資格の受験者は、コンピューティング、ネットワーク、ストレージ、セキュリティなどの側面を含む、Microsoft Azure で実行されるソリューションの設計と実装に関する専門知識を持っている必要があります。

このロールの責任には、利害関係者に助言し、ビジネス要件を安全でスケーラブルで信頼性の高いクラウド ソリューションに変換することが含まれます。

Azure Solution Architect は、クラウド管理者、クラウド DBA、およびクライアントとパートナーを組み、ソリューションを実装します。

この認定資格の受験者は、ネットワーキング、仮想化、アイデンティティ、セキュリティ、ビジネス継続性、障害回復、データ プラットフォーム、予算編成、ガバナンスなど、IT 運用の高度な経験と知識を持っている必要があります。このロールは各領域での決定がソリューション全体に与える影響を管理する必要があります。さらに、このロールには、Azure 管理のエキスパート レベルのスキルを持ち、Azure 開発プロセスと DevOps プロセスの経験が必要です。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/learn/certifications/azure-solutions-architect/

AZ-303/304試験の難易度

まず、AWSのSolution Architect Associateと比べると(私がそれしか持っていなかったため・・Expertと比べられたらよかったのですが・・)、AzureのSolution Architect Expertの方が明らかに難しいです。

一番大きな理由はAzureのSolution Architect試験は、デザイン(AZ-304)に加えて実装(AZ-303)のスキルも問われるため。また、AZ-304(Design)単体でAWSと比べても、AZ-304の方が、より細かいところを問われる気がしました。

また、AZ-303とAZ-304で比べると、個人の経験によるところも大きいかと思いますが、AZ-304の方が、AZ-303よりも簡単だと思いました。

AZ-303ではより開発者目線のスキル(どのような手順で実装すれば良いか?)が問われるのに対して、AZ-304では、よりアーキテクト的な視点でのスキル(どのソリューションを選択するか?)が問われます。

AZ-304は試験範囲のドキュメントをしっかり読見込むだけでも合格は可能だと感じましたが、AZ-303については、実際の実装手順や、実装時の制約など、かなり細かいところを聞かれるので、Azureを慣れている人でなければ、+αで公式ドキュメントを確認して細かい知識の補強が必要だと感じました。

また、過去の形式の試験を受けた方のブログを読むと、実際にAzureの画面を操作してデプロイなどを行う「実技」があると書いていましたが、最新のAZ-303/304では、そのような問題はありませんでしたので、他のAzure Associate以上の試験と同じ出題形式の想定で問題ありません。

旧AZ-303/304・AZ-305試験の概要

基本情報

  • 試験は60問程度 (覚えている範囲で、AZ-303は61問でした)(毎回違うかもしれません)
  • 合格点は、700点/1000点満点
  • 試験時間は180分
  • 試験の予約はこちらから。
  • 2020年10月頃まではプレビュー版の英語試験しかありませんでしたが、2020年11月19日時点では既に日本語対応されていましたので、日本語で受験可能です!

AZ-303で評価されるスキル

この試験で評価されるスキルとスコア配分は以下の通りです。

  • Azure インフラストラクチャの実装と監視 (50-55%)
  • 管理とセキュリティソリューションを実装します (25-30%)
  • アプリのソリューションを実装 (10-15%)
  • データプラットフォームの実装と管理 (10-15%)

こちらを見るとわかりますが、IaaS (VM, ネットワーク設計)とセキュリティの領域の比重がとても高いです。PaaS (app seviceやfunctions etc)ももちろん出ますが、PaaSにおまかせではなく、一からでも設計できる能力が問われている気がします。

以下の「認定資格スキルのアウトラインをダウンロード」からもっと細かい出題内容が確認できます。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/learn/certifications/exams/az-303

AZ-304で評価されるスキル

この試験で評価されるスキルとスコア配分は以下の通りです。

  • モニタリングを設計する (10-15%)
  • アイデンティティとセキュリティを設計する (25-30%)
  • データ ストレージの設計 (15-20%)
  • 事業継続性の設計 (10-15%)
  • インフラストラクチャを設計する (25-30%)

こちらもAZ-303と同様、iaas、セキュリティの比重が高めです!

以下の「認定資格スキルのアウトラインをダウンロード」からもっと細かい出題内容が確認できます。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/learn/certifications/exams/az-304

[2022/04/23追記] AZ-305で評価されるスキル

https://docs.microsoft.com/ja-jp/learn/certifications/exams/az-305

  • ID、ガバナンス、および監視ソリューションを設計する (25-30%)
  • データ ストレージ ソリューションを設計する (25-30%)
  • ビジネス継続性ソリューションを設計する (10-15%)
  • インフラストラクチャ ソリューションを設計する (25-30%)
AZ-303/304との違い
  • 出題領域は変わらないものの、配点が変わっている模様。
  • データソリューションの配点が上がっている!これは昨今の技術トレンドをふまえてだろうか・・

受験方法

https://docs.microsoft.com/ja-jp/learn/certifications/exams/az-305

上記のように、各試験の公式ページからスケジュールを設定可能です。試験は、

  • テストセンターでの受験
  • オンライン自宅受験

から選択できますが、私は、便利なのでほとんどすべてのAzure資格をオンライン自宅受験しました。最短翌日にだって受けることができます。

なお、オンライン自宅受験についてはいろいろと躓きポイントがあったので、こちらに別途まとめました。

試験結果と勉強方法

AZ-303の試験結果

結果
  • 勉強期間:7日
  • 受験回数:2回
  • 資格取得日:2020年11月19日
  • スコア:758/1000

・・・いや!むずい!というか細かい!MS Learnのコンテンツを読んだだけでは、こんなこと書いてあったっけ?的な問題がかなり出た印象です。2回目でギリギリ合格することができました…!

幸い、他のAzureのAssociate資格(特に本試験と範囲の重複が多いAZ-104, AZ-500)を取得した上でこの試験に望んだので、まだ短い期間に抑えられたと思いますが、いきなりこの試験から受験する場合は範囲がかなり広いため、勉強に最低2週間程度は見ておいた方が良さそうです。

こちらは、MS Learnを読むだけでなく実際にそのサービスを使ったり、またはUdemyなどのコンテンツで試験対策をすることで、余裕を持って合格できるようになるかと思います。

AZ-304の試験結果

結果
  • 勉強期間:7日
  • 受験回数:1回
  • 資格取得日:2020年10月15日
  • スコア:902/1000

こちらは、無事1回目で合格することができました・・!しかもまさかのこれまでのAzure試験の中でも最高得点でした…!

これは試験自体が簡単だったからではなく、事前に他のAssociate資格(特にAZ-104, AZ-500)取得を通して土台ができていたからだと感じます。

この試験を最初に受験する場合は、試験範囲がとても広いので、こちらの科目も2週間ほど見ておく必要がありそうです。

試験対策に利用した教材

私は、今回の試験でもMicrosoftの公式教材を読み込む方法を取りました。こちら、英語版を機械翻訳にかけたもののようで、たまにわかりづらい表記があったり、そもそも日本語版の教材がなかったりはするのですが、説明も充実していますし、チュートリアルを通したハンズオンもあったり、経験値やクイズというちょっとしたゲーム要素もあったりして楽しく進めることができて個人的にはおすすめでした。

もう少しポイントを絞って素早く対策したい、日本人が日本人に向けてわかりやすく書いたコンテンツで学習したい、という方は、後ろでご紹介するコンテンツを利用しても良いと思います。

Microsoft Learn

試験範囲となるコンテンツは、資格試験概要ページの下部から確認することができます。実は対象コンテンツはどちらの試験も共通です。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/learn/certifications/exams/az-303

https://docs.microsoft.com/ja-jp/learn/certifications/exams/az-304

その他補助教材

AZ-303/304およびAZ-305に関しては、2022年4月現在日本語の書籍はでていません。

本がでてくるのを待つと時間がかかると思うので、Udemyなどのwebの学習コンテンツで勉強するのが個人的にはオススメです!

Udemyは私もAWSのソリューションアーキテクト資格を取得する際に利用したことがありますが、以下が魅力だと思っています。

  • ボリュームの割に安い
  • 期待通りでない内容だった場合に30日以内の返金対応(私も間違えて購入した教材に対して1度やったことがありますが、一瞬で手続き完了します)がある
  • コンテンツが直近の試験傾向に合わせてアップデートされ続ける

実際の試験は英語で対策しても日本語で対策してもほとんど差異はないので、是非活用を検討されることをお勧めいたします!

現時点では英語版しかなさそうですが、最新のAZ-305だと以下が高評価&人気。

Exam AZ-305 – Designing Azure Infrastructure Solutions 2022

以下は既に旧バージョンとなってしまったAZ-303/304。ご参考までに残しておきます。

AZ-303の対策としては、以下が一番人気でレビュー評価も高いようでした。こちらは、講義+模擬試験が2回分含まれています。

AZ-303 – Azure Architect Technologies- UPDATED 2020

AZ-304についてはこちらが1番人気のようです。

AZ-301/AZ-304 Azure Architect Design Exam Prep 2020

Udemyは書籍を買うよりも安くてボリュームもあったりする上に、30日間の返金保証もついているので、私もよく使っています。色々と探してみてもらえればと思います。

資格を取得して見えた世界

この資格を実際にとって見ると、以下の点で成長できたなと感じます。

  • Azureのサービス(特にIaaS)の設計プラクティスが分かるようになった(特に、Azure ADをかませたセキュリティの実装プラクティスや、セキュリティ・パフォーマンスのモニタリング)
  • 1からAzure使って要件に合うシステム構成考えてといわれたら、ソリューションの選択肢は提示できる
  • 各ソリューションの詳細については全て頭に入っているわけではないが、調べながら最適なソリューションを検討できる

以上、AZ-303/304取得編でした!

本日も最後までご覧いただきありがとうございました!

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Yuu113
初めまして。ゆうたろうと申します。 兵庫県出身、東京でシステムエンジニアをしております。現在は主にデータ分析、機械学習を活用してビジネスモデリングに取り組んでいます。 日々学んだことや経験したことを整理していきたいと思い、ブログを始めました。旅行、カメラ、IT技術、江戸文化が大好きですので、これらについても記事にしていきたいと思っています。